2007年12月20日
産学官共同開発のバイオプラスチックについて話を聞いてみました
マツダの工場見学、マツダ車両実験研究部の農沢氏による講演会と機械工学科でもマツダから講師をお招きするなどマツダの方々にも積極的に協力していただいています。そこで、マツダとの共同開発の事例を思い出しました(マツダHPのバイオプラスチック特集記事はこちら)。
マツダとの共同開発を通じて、自動車の内装部品に使用できる品質を備えたバイオプラスチックの開発・研究をされた生物化学工学科 白石浩平先生に話を聞いてみました。
「マツダの内装部品にも適用されているバイオプラスチックの研究についてお話を聞かせてください。」
白石先生「通常のプラスチックは、石油から合成されています。それに対して、当研究室で扱っているバイオプラスチック(ポリ乳酸)は、トウモロコシを原料とした環境にやさしい素材です。現在、生分解プラスチックとして、ポリ乳酸は注目を集めています。」
白石先生「このバイオプラスチックは、空気中の二酸化炭素を炭酸同化作用(光合成)によってできた、トウモロコシのデンプンをプラスチックの原料とします。原理的には、使用後燃焼やバクテリア等の酵素によって生分解しても、大気中の二酸化炭素を増加させないことになります。環境中で分解も可能なので、環境に優しい素材です。」

「考えられる応用分野は、どういった分野ですか?」
白石先生「携帯電話の部品を始めとする電気製品や自動車用の内装部品など、さまざまな用途での応用が期待されます。既存のバイオプラスチックでは、製品にするためには耐熱性や耐衝撃性に乏しいという欠点がありました。平成16年度から2年間経済産業省の補助による事業に一員として参画し、現在では約95%を天然素材として自動車用の内装部品として使用可能な強度を得ることができました。」
「その成果の一部が、マツダの内装部品に利用されているというわけですね。」
白石先生「はい、2007年の東京モーターショーでマツダの水素ロータリーハイブリッド車の一部部品として使用され展示されました。今後は、自動車部品のみならず、さまざまな産業用部品として応用できるように企業と一体となって研究を進めていく予定です。」

「今後の研究目標は何ですか?」
白石先生「そうですね、この様な研究は脱石油資源を目的とした天然資源の産業用資材としての応用研究をさらに進展させることになると思います。その中の1つであるバイオプラスチックにおいては、100%生分解する素材を用いて、可能な限り石油資源に依らない物質の少量の添加によって、欠点を克服する素材にしたて上げることを目標としています。」
「最後に一言お願いします。」
白石先生「プラスチックのみならず化学やバイオの力によって高効率でのエタノールや水素といった石油代替エネルギーの開発やリサイクル技術が大きく飛躍すると期待しています。また、自然をお手本にすれば多くの人たちのその研究のヒントやチャンスがあると信じて研究を続けています。」
投稿者 umeco : 09:39 | トラックバック (0)