2007年09月14日

情報システム工学科(映像応用システム研究室)の田中一基先生に聞いてみました

田中先生の研究に関連した写真を見て、とてもおもしろそうだったので研究室を訪問してみました。

「先生の研究キーワードは、”パターン認識”・”モーションキャプチャ”・”バーチャルリアリティ”ですよね。そして、最近は”ゲームプログラミング”もキーワードとして挙がっていますね。今回は、特に”ゲーム”という単語に引かれました(笑)」
田中先生「そうですね。ゲームの持つエンタテインメント性に注目し、教育・スポーツ・福祉などの分野への貢献を目的とした学習・トレーニングのためのゲーム環境の研究に取り組んでいます。このゲームへの応用は最近始めたばかりで、今までは手話の解析など画像処理の要素を含んだ研究を行っています。もちろん、今回のゲームに絡めた研究も画像処理の分野です。」

「例えば、どんな研究テーマがあるんですか?」
田中先生「例えばですね…対人の個人競技における技の戦略修得を支援するバーチャル練習システムの構築があります。これは、個人競技(武道など)における駆け引きを修得するためのバーチャル練習システムです。一流選手のスキルを持ったCG選手との試合が仮想体験できます。現在2年目の研究で、基本的な稼動が行える段階まで来ました。」

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バーチャル練習システム

「今後の課題には、どのようなものがありますか?」
田中先生「そうですね。今後は、インターネットを経由してどこからでも練習可能なシステムにしたいと考えています。このシステムをネーミングするなら、”e-ラーニング”ならぬ”e-トレーニング”ですね。”e-ラーニング”のスポーツ版として、考えてみました(笑)」

「まさにゲームのバーチャファイターみたいなものですね。こんなゲームを実際にやってみたいと思っていました。ちなみに、先生はバーチャファイターなどの格闘ゲームはやってるんですか?」
田中先生「ハハハ…やったことはなく、興味をひかれた程度ですよ(照)」

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戦略知識モデリング

田中先生「私は空手道部の副部長をやっていて、身近に協力者となる一流選手がいて、研究に大変助かっています。このバーチャル練習システムの研究のために、一流選手のデータ提供やテストの協力を惜しみなく行ってくれるので大変助かっています。もちろん、このシステムは器なので、データさえ揃えば空手だけでなく剣道なども可能です。」

「他には、どのような研究テーマがありますか?」
田中先生「運動の継続を習慣付けるための戦略を持つバーチャルテニスの研究も行っています。これは、楽しく運動を継続できるようにしたゲーム戦略を研究しています。このコーチ役となるバーチャルテニスプレイヤには人工知能を用いて、練習者を飽きさせず適切な運動を継続させることを目的としています。適切な運動習慣は、メタボリックシンドロームの予防や治癒には重要です。」

「そのゲーム戦略とは具体的にはどういったものですか?」
田中先生「戦略として、練習者に継続して運動をしてもらうには飽きさせないことが一番です。そのためにも、バーチャルテニスプレイヤは、練習者に合わせた動きをします。それは、よくあるテニスゲームのトレーニングモードにも似ています。が、決定的に違うのは、飽きさせないために負ける戦略を組み込むということです。あからさまに負けると練習者の意欲を削ぐ可能性もありますが、わからないように負けるというのは難しいものです。この点がポイントになると考えています。」

田中先生「このシステムは、Wiiをラケット代わりにし、練習者のフットワークをカメラで捉えます。そして、大画面TVを想定したバーチャルテニスプレイヤとの対戦になります。」

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バーチャルテニスの製作画面

田中先生「来年度から着手予定のテーマもあります。それは、腕のリハビリ支援を目的とした、患者の腕のモーションキャプチャに基づく仮想空間での機能回復訓練を支援するシステムです。このシステムでネットワークに対応できるようにすれば、家にいながらリハビリを行うことも可能です。このバーチャルシステムの利点は場所を選ばず、移動が困難な方々でも用意にリハビリを行えることを目標としています。」

田中先生「こういったエンタテインメント性の高いゲーム産業は、国際展開も早く、培ってきた技術を”脳トレ”などの訓練や学びの分野に展開する動きは多く見られます。またリハビリ支援も医療分野で応用が可能と考えています。」

投稿者 okano : 18:34 | トラックバック (0)