2007年07月04日

【ポーランド留学体験記 (4)】ドイツ・ハイデルベルグ大学にて
~数学と産業との連携を目指して~

今回は、ポーランド留学中の伊藤先生から、ドイツのハイデルベルグ大学に訪問した際の出来事を送っていただきました。

ポーランド留学中の伊藤です。
今回は、4月16日から29日まで研究のため訪れたドイツ・ハイデルベルグについて報告します。写真からもわかるようにハイデルベルグは山と川に囲まれた古城で有名(?)な学園都市です。日本からの観光客も多く、観光土産店では日本語を見かけることもあります。

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今回の訪問の目的は、数学の研究はもちろんですが、むしろ数学と産業(特に、生物化学)とがどのように関わっているのか(数学を通した産学連携といったところでしょうか)をこの目で見たかったからです。

最新の研究棟を訪問しました。階段は研究棟の中央に位置し、その両サイドに研究室が配置されていました。そして、研究者は必ずその階段を通らなければ屋外へ出ることができません。また、階段の幅は非常に幅広く確保され、すべての階の降りたところには必ず談話スペースが設置されていました。
この構造は、異分野の研究者達が活発な議論を通して、学際的な新たな知見を得るよう配慮された結果だそうです。

しかし、残念なことに、撮影以前に階段と講義室しか見学できませんでした。すべての研究棟へのドアがオートロックされ、関係者以外立ち入ることができないようになっています。知的財産を守るためのようです。
結果として、研究内容に関する内容のポスターは基本的に守る必要のないレベルのものばかりでした。それでも、私にとっては非常に興味深く面白い内容ばかりなのですが。

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今回の訪問で気づいたことは、「工学(産業)に対して数学者がどのように関わっていくか」を工学部ではきちんと考えなければならないということです。
つまり、「数学を如何に駆使して、産業へ貢献するか」をきちんと考えて、数学の研究をしなければいけないということです。”理学部が目指す数学研究”と”工学部が目指す数学研究”とは大きく違うということをまざまざと見せつけられた気がします。

帰国後、「今回の訪問で得られた知見が活用できるような研究をしたい!研究できる環境に身を置きたい!」というのが今の思いです。

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最後に、私が研究しているICMは基本的に外部資金ですべて運営されています。
極端に言えば、「良い研究」=「外部資金を獲得できる研究」という図式でほぼ成り立っています。そのような環境の中で、数学者は私を含めて3人です。所長は20人程度の産業を意識した数学者が欲しいようですが、このような環境に身を投じる数学者はまだ少ないようです。

「ナノ技術開発」プロジェクトのチームリーダーである私の共同研究者(前回の報告写真中の女性)がこんなことを言いました。
「物理学者や工学者・技術者と一緒になってプロジェクトを遂行するのは大変だけれども、数学研究だけでは得られない貴重な何かがそこにはある」と。【でも、数学者がナノ技術開発分野のプロジェクトリーダーですよ。日本では考えられませんね。】

次回は、今回の留学で得られた研究成果を報告できたらいいなと思っています。

投稿者 okano : 16:16 | トラックバック (0)