2007年03月13日
平成18年度近畿大学工学部卒業式の風景 (2)
近畿大学工学部長卒業式挨拶 椿原 啓
工学部を預かる学部長として、一言ご挨拶を申し上げます。卒業生諸君、本日はご卒業誠におめでとうございます。ご来賓の方々には祝意を頂き誠にありがとうございます。保護者の方々には我々近畿大学教職員を信頼し、ご子息、ご息女をお預け頂き感謝申し上げます。出席を取るときなど、学生諸君の名前を読み上げるときはその名前に込められた保護者の方々の願いをうかがい知る事ができ、常に気が引き締められる想いでおりました。私どもは眼前にいる学生諸君を我が子と思って指導してまいりました。しかし、保護者の方々から見られれば、なお、至らぬところが多数お目についたのではないかと恐縮致しております。必ずしもご期待に添えなかった点については幾重にもお詫び申し上げますので、ご寛容賜ればと存じております。
近年は改革、革命等のことばが巷に氾濫しております。今年の正月の特別番組でアルビン・トフラーと田中直樹の対談をご覧になった方もたくさんおられるのではないかと存じます。トフラーは25年前に「第3の波」という著書の中で工業社会の終焉と、高度に情報化された新しい価値観をもつ社会の到来を予測しました。堺屋太一はそれを「知価革命」と呼びましたし、日本政府も「工業立国から知的財産立国へ」と叫んでいます。
このようなまさに変革の時代は不安定ではありますがすべてのものが変化、変動するとてもダイナミックな「次に起こることは何だろう」ととてもわくわくさせられる時代です。このような時代に社会に巣立つ君たちはある意味とても幸せな時代に遭遇したとも言えると思います。
私や諸君の保護者の方々が二十歳代を過ごした社会はまさに日本が工業立国を標榜し、優秀な製品を大量に製造することが生活を潤す基と考えられていました。技術を身につけることを「手に職を付ける」と言いまして、そのように身に付けた技術で一生を生き抜くことができると思われていたわけです。社会は安定しておりますが、反面若い頃にしたことでその先の人生がある程度見えてしまう変化の少ない面白みの少ない時代ではなかったかと思います。しかし、知的財産立国では「手」ではなく、「脳」を鍛えることを要求されます。いわく、創造力、分析力、評価能力、決断力など。手に付けた職は忘れませんが、脳につけた知力は常に磨かないとあっという間にさび付いてしまいます。
諸君はとても面白い時代に、ダイナミックに流動し「次には何がくるのだろう」とわくわくさせられる時代に社会に出る幸せを味わってほしいと思います。しかし同時にその時代に対応するべく常に脳を鍛え続ける覚悟が必要です。
近畿大学工学部は諸君が卒業した後も諸君の知力を磨くお手伝いができることをお約束し、卒業に当たってのご挨拶とさせていただきます。皆様方本日は誠におめでとうございます。
投稿者 okano : 14:45 | トラックバック (0)