2007年03月08日
電子材料研究室の大学院2年生O君が部屋を整理していました。
大阪府出身のO君は、福山市にある製鉄会社に就職します。「いよいよお別れですねぇ、卒業後、研究は続けられそうですか」、「まだ、会社からは何も聞いていません。業種からみて今の研究は続けられないと思っています。でも、大学院では電子関係の多くの知識を得ることができました。研究に対する取り組みは社会に出て仕事の進め方に通じると思っています。」、「後輩に大学院に進学を進めますか」、「実験の好きな人には是非お薦めしたいですね、それに学部と違って多くの先生がすごく協力してくださいます。これには驚きました。」
「どんな研究をされましたか?・・・」、「太陽電池です。現在市販されている太陽電池はシリコン太陽電池ですが、僕が開発しているのは色素増感太陽電池です。構造が簡単で安価に製作できるところが次世代の太陽電池として注目されています。問題点は光エネルギーの変換効率が低く、市販されているシリコン太陽電池の20%には遠く及びません。」
「色素増感太陽電池の原理を教えください」、「透明な導電性ガラス板に二酸化チタン粉末を焼き付け色素を吸着させた電極と、同じく導電性ガラス板の対極から構成され、電解質溶液に酸化還元反応をさせて電気を発生さる仕組みです。」
「光エネルギー変換効率は、以前ある人が 10%と報告しましたが、しばらくの間、追試に成功した人がいなくて研究者間では疑念視されていました。でも、最近では10%超の値を国内の学会等でもちらほら見かけるようになってきています。(理論最高効率は33%と言われています。)、僕の作成したものは、まだ4%程度です。何とか10%超の値を出そうとこの2年間複数の色素をいろいろ組み合わせて挑戦していました。後一歩で10%超の値が出せそうだというところで研究終了です。空しい思いはあります。」と心境を明かしてくれました。


投稿者 okano : 09:40 | トラックバック (0)